【最終回】第1回さいたま国際マラソン完走記(その6)

第1回さいたま国際マラソン完走記(その5)のつづきです。

 

* * * * *

 

残り5km。

ゴール予想タイムは3時間24、5分といったところか。

心の中で天使と悪魔が言い争う。

「もう目標の20分は切れないんだし、最低限のサブ3.5はクリア出来るから残りは流しちまえよ」

悪魔は言った。

「それはダメ!今気持ちを緩めたら25分をオーバーしちゃう!どんなタイムだってチャレンジし続けることが大事!」

天使もゆずらない。

「だいたい25分とか中途半端なんだよ!目標を達成できなければ何分でも一緒!何より残りを流せば明日の仕事への影響が少なくてすむぜ!」

悪魔はmasa選手の攻略ポイントをよくわかっている(笑)

「そうね… って、そうじゃない!マラソンは最後まで出し切ってこそ達成感を得られるものなんだから!」

がんばれ、天使(笑)

 

呼吸にはまだ余裕があったので、もっと追い込め!と、脳は全力で命令していたのだが、脚が終わってしまっていて身体は全く反応しなかった。

そして、終始悪魔が優勢な状態のまま時は流れた。

 

* * * * *

 

40km地点通過。

3:13’56 (35-40km 26’12 | 5’14/km)

 

さいたま新都心の駅前まで来た。

ここで線路を渡ればゴールはすぐなのに、通り過ぎて更に北上しなければならない。

精神的にかなりキツく、とても長く感じられた。

 

吉敷町を左折して線路をくぐり残り1km。

この上りでは事前のイメージ通りに全力で腕を振った。

すると結構楽に上ることが出来た。

上半身にはまだ力が残っていたみたいだ。

もっと全身を満遍なく使って走れるようにならないと…

来年までの宿題が出来た。

 

 

最後の最後まで心の中の悪魔は強かった。

頑張らないと25分をオーバーしてしまうとわかってはいるのに身体が動いてくれない。

沿道から聞き覚えのある声の声援が。

ぶびっちゃんの家族だった。

「負けた~」と返した。

結局ぶびっちゃんには追い付けなかった。
というか離された。

後で聞いたら2、3分前のゴールで20分は切れなかったらしい。

 

国道17号を左折し最後の直線。

ゴールが見えたら身体が軽くなった。

気持ちペースを上げる。

そしてゴールゲートの時計が3時間25分を示したところでスピードを緩めた。

誰に対してのアピールだか自分でもわからないが、25分を切れず残念な感じを装いつつ…

 

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一応両手を上げて清々しくゴールしたつもりだったが、前の方にかぶってしまっていた…

無念…(笑)

3:25’12 (40km-Finish 11’16 | 5’08/km)

 

【結果】

種目: 一般(サブ4)男子
記録: 3:25’12(ネットタイム 3:23:55)
順位: 1158位/3279人

 

残りの5kmは爆走するつもりでいたのに、全く実行できずに情けない走りとなってしまった。

最後に出し尽くすことが出来なかったので、満足感はなく、ただただ自分の弱さに失望したゴールだった。

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まあ、でも何はともあれ、これだけはゲット出来たので良かった。

制限時間4時間のハイレベルな大会。

事前の練習や当日のレース運びにミスがあったら、この完走メダルをもらうことは出来なかったかもしれない。

そういった面では緊張もしたし、十分に楽しむことが出来た。

 

レースの内容は満足いくものではなかったけど、オリンピックの選考レースを走れたことは大興奮なことで、たくさんの応援を受けて走ることは本当に気持ちがよく、楽しい時間だった。

運営スタッフ、ボランティアの方々、応援してくださった皆様、一緒に走ったお仲間に感謝!

今後も制限時間の厳しい競技志向なレースとして発展してもらい、いつの日かこの地元埼玉で自己ベストを更新したい。

 

 

おわり

 

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